BUITENSCHOT PARK / AFSLUITDIJK / PYTHONBURG

最近訪れたランドスケープデザイン事例たちを。

 

BUITENSCHOT PARK

Hoofddorpという町にあるH+N+Sが手掛けたランドアートとサウンドスケープが合体した作品。

近くにアムステルダムの飛行機の玄関口となるスキポール空港に近いため、飛行機の騒音をカットするという機能とランドアートとしての芸術を重ね合わせた空間となっている。この写真の三角の山達がグランドレベルの騒音をカットしている。上空からの写真は以下のURLで見れるのだが、造形としてすごくかっこいい。

http://www.hnsland.nl/en/projects/land-art-park-buitenschot

実際、訪れてみた日は何でもない土曜日だったけど、家族ずれで遊んでいたり、犬の散歩できていたり(この三角形に犬が登っている)、サイクリングの休憩をしている人がいるなど、日常的にも利用されているのがとても素敵な風景だった。この三角形の形をうまくずらしていることにより、広々とした空間やアンジュレーションのある場所があったり、この三角形の水を集めるために、小さな堀があってそれも水が溜まっている部分と無い部分があったりと歩くごとにシークエンスが変わっていくこともとてもおもしろかった。操作としてはシンプルだけど、豊かな表情を生んでいて素敵だった。「用と美」そして日常的な楽しさを生むランドスケープデザインは本当に魅力的。H+N+S以外にアーティストやエンジニアなどのチームを作ってプロジェクトを進めたそうなので、コラボレーションする仕事っていいよなぁーいいなー

f:id:AOIoa:20180108033758j:plain

f:id:AOIoa:20180108033835j:plain

f:id:AOIoa:20180108033840j:plain

f:id:AOIoa:20180108033847j:plain

f:id:AOIoa:20180108033849j:plain

 

Afsluitdijk

次にAfsluitdijk。日本語でいうと締切大堤防、すごい名前。

オランダでは超絶大事な堤防。インターンで関わらせてもらったので、感慨深かった。

北海とアイセル湖を分ける堤防なので、この堤防の上に立つと、片側は海、片側は湖という境目に立つようになる。全長およそ30km。この堤防を作ったことで湖が生まれた。海水面上昇、新たな農地の開発のために行われた大規模な事業。歴史は古く、1927年から工事が始まったとのこと。

近年は地球環境問題、とりわけ地球温暖化によるさらに海水面上昇が進んでおり、また嵐とかも起きているため改修のコンペが行われていた。これは土木事業に括られると思うんですけど、ランドスケープアーキテクトが中心的に関わって風景をどうするとか生物多様性を向上させるためにどう工夫するとか、護岸をどう作るかとかをやっていくんですよね。これなぁ、これだよなぁ。

f:id:AOIoa:20180108034245j:plain

行った時期にICOON AFSLUITDIJKというこの堤防を使ったアート始まっており、それがまたカッコよかった。アーティストはDaan Roosegaardeというオランダ人現代アーティスト。光を使ったアートでとても有名な方。Gate of Lightというのは、車のライトを反射することで、既存の建物が光るんですけど、その反射の凄さ。あと、近くにあるバンカーを展示場所とした藻の発光を利用した作品もすごくカッコよかった。藻の種類で光量が違うようで(これは私の推測)。

f:id:AOIoa:20180108034415j:plain

わかりづらいけど、この青い光が藻によって生まれた光。下の動画は、Gate of Lightという作品。

Gate of Light from Aoi Yoshida on Vimeo.

pythonburg

そして、West8Pythonbrugパイソンブリッジ。

行ってみたとき、笑った(すごく良い意味で)。

ウォーターフロントの地区、BorneoSporenburgを結ぶ歩行者専用の橋なのですが、もうこの地区といえば、この橋でしょって言われてるんだろうなぁと思うインパクトのある作品。川を渡るという行為を誇張させて、より経験を増長experientialさせてくれるような橋で渡るのを楽しく思わせてくれる。West8がこの地区の再開発を手がけている。その一部としてのプロジェクト。この橋は歩行者専用だけど、近くに自転車も通行可能な同じボキャブラリーの橋もある。

少し日本の太鼓橋ぽい?一番のピークの高さは9.5m。最近高所恐怖症が加速してる、、、

West8のホームページを見るとこの橋から川へダイブしている写真や桟の部分を歩いている子供の写真があるから暖かくなってまた行ったら違う風景が見れそう。

f:id:AOIoa:20180108035744j:plainf:id:AOIoa:20180108035743j:plain

f:id:AOIoa:20180108035749j:plain

f:id:AOIoa:20180108041038j:plain

ちょっと最近本格的に寒くなってきてるけど、おもしろい楽しい事例を見に行くと元気ができるので、寒さに負けず、ちょこちょこ見に行こうと思います!