BUITENSCHOT PARK / AFSLUITDIJK / PYTHONBURG

最近訪れたランドスケープデザイン事例たちを。

 

BUITENSCHOT PARK

Hoofddorpという町にあるH+N+Sが手掛けたランドアートとサウンドスケープが合体した作品。

近くにアムステルダムの飛行機の玄関口となるスキポール空港に近いため、飛行機の騒音をカットするという機能とランドアートとしての芸術を重ね合わせた空間となっている。この写真の三角の山達がグランドレベルの騒音をカットしている。上空からの写真は以下のURLで見れるのだが、造形としてすごくかっこいい。

http://www.hnsland.nl/en/projects/land-art-park-buitenschot

実際、訪れてみた日は何でもない土曜日だったけど、家族ずれで遊んでいたり、犬の散歩できていたり(この三角形に犬が登っている)、サイクリングの休憩をしている人がいるなど、日常的にも利用されているのがとても素敵な風景だった。この三角形の形をうまくずらしていることにより、広々とした空間やアンジュレーションのある場所があったり、この三角形の水を集めるために、小さな堀があってそれも水が溜まっている部分と無い部分があったりと歩くごとにシークエンスが変わっていくこともとてもおもしろかった。操作としてはシンプルだけど、豊かな表情を生んでいて素敵だった。「用と美」そして日常的な楽しさを生むランドスケープデザインは本当に魅力的。H+N+S以外にアーティストやエンジニアなどのチームを作ってプロジェクトを進めたそうなので、コラボレーションする仕事っていいよなぁーいいなー

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Afsluitdijk

次にAfsluitdijk。日本語でいうと締切大堤防、すごい名前。

オランダでは超絶大事な堤防。インターンで関わらせてもらったので、感慨深かった。

北海とアイセル湖を分ける堤防なので、この堤防の上に立つと、片側は海、片側は湖という境目に立つようになる。全長およそ30km。この堤防を作ったことで湖が生まれた。海水面上昇、新たな農地の開発のために行われた大規模な事業。歴史は古く、1927年から工事が始まったとのこと。

近年は地球環境問題、とりわけ地球温暖化によるさらに海水面上昇が進んでおり、また嵐とかも起きているため改修のコンペが行われていた。これは土木事業に括られると思うんですけど、ランドスケープアーキテクトが中心的に関わって風景をどうするとか生物多様性を向上させるためにどう工夫するとか、護岸をどう作るかとかをやっていくんですよね。これなぁ、これだよなぁ。

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行った時期にICOON AFSLUITDIJKというこの堤防を使ったアート始まっており、それがまたカッコよかった。アーティストはDaan Roosegaardeというオランダ人現代アーティスト。光を使ったアートでとても有名な方。Gate of Lightというのは、車のライトを反射することで、既存の建物が光るんですけど、その反射の凄さ。あと、近くにあるバンカーを展示場所とした藻の発光を利用した作品もすごくカッコよかった。藻の種類で光量が違うようで(これは私の推測)。

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わかりづらいけど、この青い光が藻によって生まれた光。下の動画は、Gate of Lightという作品。

Gate of Light from Aoi Yoshida on Vimeo.

pythonburg

そして、West8Pythonbrugパイソンブリッジ。

行ってみたとき、笑った(すごく良い意味で)。

ウォーターフロントの地区、BorneoSporenburgを結ぶ歩行者専用の橋なのですが、もうこの地区といえば、この橋でしょって言われてるんだろうなぁと思うインパクトのある作品。川を渡るという行為を誇張させて、より経験を増長experientialさせてくれるような橋で渡るのを楽しく思わせてくれる。West8がこの地区の再開発を手がけている。その一部としてのプロジェクト。この橋は歩行者専用だけど、近くに自転車も通行可能な同じボキャブラリーの橋もある。

少し日本の太鼓橋ぽい?一番のピークの高さは9.5m。最近高所恐怖症が加速してる、、、

West8のホームページを見るとこの橋から川へダイブしている写真や桟の部分を歩いている子供の写真があるから暖かくなってまた行ったら違う風景が見れそう。

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ちょっと最近本格的に寒くなってきてるけど、おもしろい楽しい事例を見に行くと元気ができるので、寒さに負けず、ちょこちょこ見に行こうと思います!

 

 

新年明けましておめでとう御座います

新しい年、2018年が始まりましたね。

私のオランダ留学後半戦も始まりました。

 

2017年は新しい環境へ踏み出して、まだ大変な部分あるけど、だいぶ慣れてきたので、

2018年は新しく始まったことにどんどんより手を伸ばしていきたいと思ってる。

掴んでいくイメージ。

 

アカデミーでは、12月のクラスは、クリニックと呼ばれるクラスに参加してました。

これは、学生がこれまでの自分のプロジェクトを持ってきて、先生含め学生みんなで、各々の学生にデザインとして足りてない部分を考えて(診察的なこと)、それぞれにあった課題を考え(処方箋的なこと)、デザインに取り組む(回復的なこと)という授業です。

私は、全体プランの中で丘を作っていて、高さ4mの設定にしてたんだけど、それを15mまで誇張させた時、

どういう空間になるか、という課題を頂きました。水を集め、水どうしをつなぎ、場所によって水の違う表情を楽しめる山の提案をしました。良いエクササイズになりました!

 

あとは、ペーパーのクラス。O5と呼ばれるクラスです。最終的には写真やビジュアライゼーションなどを入れたブックレットに仕上げます。この点、やはり美大なんだなぁという感じでした。

ペーパーのテーマは、オランダと日本の文化(特に空間認識について言及した)の違いがあるけど、

アムステルダムと東京、いづれの都市も建物(特に住宅)と道の間に小さい緑地があって、

文化の違いを越えて、共通して、この小さい緑があることについて書いてみました。

英語がね、なかなか難しいものがあって、友人に英語をチェック・修正してもらいましたよ、、、ありがたい!

日本の文化に興味がある人ってたくさんいるなぁとこのクラスで改めて実感。

日本の文化って思った以上に独特で他の学生では陰翳礼讃を参照していたり、私が日本の「間」について説明した時に、すごいクラスみんな興味を持ってくれて。日本文化の独自性や魅力を再認識。

 

インターンでは、HNSの契約が2月末までだったのですが、5月末まで延ばしてもらえることになって、これもありがたい。

クリスマスプレゼントにH+N+Sの代表的なプロジェクトの一つであるROOM FOR THE RIVERの本を頂きました!

このプロジェクトについてはこの本をしっかり読んで、またここに記せたらと思っています。

 

そして、クリスマスホリデーでは、ポルトガルリスボンポルトそしてバスク地方ビルバオに行ってきました。

リスボンの街は、ペイブメントと外壁と地形が印象的でしたね!大理石の舗装やガターはさすが大理石の産出国と思わされました。あと、恐れずに言うと、正直、廃墟とかボロボロな建物が至る所に存在してるんだけど、きっと経済とか関係しているのかもしれないんですけど、最初見た時、えって少し驚くんですね、だけど、すごくかっこいいんです、それが。ボロボロとか老朽してるものとかがかっこよく映ってその町の特徴になっているというか。

くそっ、写真撮ってなかった!かっこいいなぁとか思ってて写真撮るの忘れるっていうヤツ、多々やってしまう。

地形を生かした公園や街の中にエレベーターが設置されていたりと、とてもユニークでした。

またテージョ川にかかっているヴァスコダガマ橋も遠くから見ると照明や橋の上に構造物が見えないから、川の上に一本の曲線が浮かんでいるように見えて、見とれてしまった。

建築はプリツカー賞受賞しているポルトガル建築家Souto de mouraが手がけた美術館、Alvaro Sizaのパヴィリオン、Santiago Calatrava Vallsの駅を体験してきました。

 

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この遊歩道気持ちよかった、柵とか無いからな!

 

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普通のアパートメントかと思ったらこの建物の一部が公共のエレベーターになってるんですね、不思議。

 

学校の先生に勧められて行ってみたレガレイラ邸の庭。まったくお金持ちの庭(この場合王族)っていうのは、、けど、特別な経験ができるから楽しかったです、世界遺産です。25mの塔が地下に突っ込んであって、そこから地下道が続いてるんです。携帯の明かりで前に進むという感じで。秘密がいっぱい仕掛けられている王族の別荘です。

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そして、ポルト

ここで、Alvaro Siza、すごく驚きました、スカルパ以来の衝撃で、私はシザがとても好きになった。

写真で見るだけでは私には分からなかった、やっぱり実際足を運ぶことの大切さ!特に私には大切だと。

入り口や窓など同じ部分が無くて、周りの環境ととても馴染んでいて、驚いた。

白い建物からは、強い跳ね返すような存在感と同時に明るく前向きな雰囲気を感じて、高まった。

Alvaro Siza本人を見てみたい!

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ポルト大学建築学部棟。

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ラルヴェス現代美術館(ここは公園にあるアートも良かった)。

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プール。周囲との一体感が泣

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プールから15分ほど歩いたところにある初期のカフェ。

この階段を上がった時に海が見えた時、はっとした。こういう体験をさせてくれる。

 

ポルトガル発祥の地、ポルト。生活の雰囲気が溢れる路地も魅力的だった。

街そのものが魅力的な街。

13世紀からの建物が残っている地区もあり。

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そして、最後にビルバオ

ゲーリーのグッゲンハイム美術館ですよねー、まさに建物そのものがアートで、中に入るとおおらかで居心地が私にとってはとても良くて、24時間で表情を変える様子にとても楽しかった。チタンの外壁も光の当たり方に明らかに表情が変わりますね、パリのルイヴィトン財団美術館を体験した時も思ったけど、外から見る派手さと打って変わって建物内部の居心地の良さがすごい。そして、ビルバオの街を歩いて、街もこの美術館に触発されているんだなというのを感じた。街そのものに影響を与えてしまう凄さを感じた。

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主要な公園には必ずカフェがあって、派手めな遊具もあって、人で賑わっていました、

橋もユニークなデザインのものがありました

そしてバスク地方の美食の街なだけあって、食事が美味しいこと!素晴らしかったです。

夜も昼も関係なくお酒や美味しいご飯を食べに外に人がいて活気がありました。

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2018年気持ち新たにまた頑張ろうと思う。

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デザインスタジオ

クリスマスの季節がやって参りましたね。

周りの話を聞いてると、本当に、こちらのクリスマスは、日本の正月そのものだなと思います。

 

2週間ぐらい前に、アカデミーのデザインプロジェクトを終えました。

紆余曲折し、最初から最後まで、良かったり悪かったり、

浮き沈みの多い感じでしたが、最終的には、very goodとの評価をもらえて良かった。

それもこれも周りの人に助けて頂いたおかげで。

 

私が先日終えたプロジェクトは、アカデミーでP5と呼ばれるデザインスタジオです。マスター3年生のコース。

 

対象地は、IJberg

Amsterdam - OostIJmeerの上に島を作ることがもう決定しており、そこに対して、どうより良く、betterなものにできますか?というお題。

 

IJbergにおける、もうすでに建設されているエリアを歩いてみると、分かりやすい構造の町になっているのですが、かなり単調。建物も箱型でエッジもすごく鋭角で、道路も直線的。

新しい町であるためか、味気ないなぁというのが正直最初に足を運んだ時の感想。

けど、新しい堤防の作り方を実践するなど、先進的な場所でもある。

 

また、アムステルダムの都市構造計画において、かつてはレクリエーションエリアとして位置付けられていたけど、アムステルダムの人口密度の高まりから、現在では、住宅地区として位置付けられている。

(オランダの他都市と比較して、アムステルダムの人口密度の高まりは、ものすごいもので、いまや、家を見つけるのはとても困難な状況となっており、また家賃の上昇も問題となっている。)

 

私自身は、これに対して、生活を豊かにすること、そして町の多様性(生物多様性含め)を高めることを目的にして、すでに存在している計画図に、その場所しかない要素を統合することでより多様性を持つ町へ変化させようと試みました。

自分の生活圏内に多様な空間があって毎日身近にそこを楽しめたら、発見や驚きがあって、生活豊かになるという仮説で。

 

その場所しかない要素というのは、

・湖の底の地形(湖の上に建設されるので)

・水の流れ、主に水の流れの圧力の違い

・周辺の緑地との関係

 

この要素からグリーンインフラをまず作り、

それに対してどうアーバンファブリックが反応していくかという視点でデザインした。

シンプルな操作ですが、書けば書くほど発見があって楽しかったな。

 

反省点としては、ディテールまでいけなかったこと。次のデザインスタジオでは、ディテールまでの提案が絶対なので、次頑張ろうー

 

今、まだものすごいデータが重いパネルしかないので、ちょっと整理してリンクとかで見てもらえるようにしたいと思います。グラフィックないとわからないよな、、、

 

私のグループは8人で、ランドスケープが4人、建築専攻が3人、アーバニズムの専攻が1人という構成。このミックスされた構成はP5だけのようだけど、専攻の違う人と一緒の課題に取り組んだのは、とてもおもしろかった。考え方や詰め方の違いを間近で見れて。

新たな堤防のあり方を提案するとか、シェアに特化したビルディングタイプの提案とか、水質浄化・生物多様性を向上させるための島を新たにつくるだとか、全然違う視点の提案があって、おもしろかったな。

 

あと、すごく良いなあと思ったのは、最終プレゼンの方法。

P5は確か8のグループに分かれていて、すべてのグループが、同日に最終プレゼンとなる。プレゼン方法はパネル(最低A1サイズ×5)で、全てのグループの学生のパネルが校内全体に貼り出され、学生がみんな見て回れるようになっている。

パネルや模型だけじゃなく、自分のスケッチや現地で採取した植物なども一緒に展示している人もいた。

 

同じグループの1人が、砂丘の環境を持った堤防を提案していて、発表の最後に、

「けど、ここで生活すると毎日家に着いたらこうなっちゃうけどね」って言って、

靴の中から砂丘の砂を出したよ、笑

誰にも言わず、ずっと仕込んでたんだなと思って。みんなすごい喜んでた。

見る人を楽しませるという姿勢、すごく大切だな、と改めて思ったよ。

 

そんなこんなで、もう年末。

けど、やっぱり1日1日がものすごく長く感じるのは相変わらず。

 

今は、引き続き事務所の仕事と、ペーパーのクラス、そしてクリニックと呼ばれるデザインのクラスをやっています。

 

クリニックもまたおもしろいシステムなので、いづれ書きたいなと思います!

 

Center of the Universe

Center of the Universeはどこにあるんだろうっていう話。

 

日本語について話す機会が友人と会った。

イタリア人とフランス人と話していた。

言語の話になり、日本語についても話してみた。

 

そういえば、日本語ってあまり "I"を言わないですよね。

今日例えで、

I want to go to the sea.を日本語の語順に並べてみると

I the sea to go want.になると言ったら、二人とも驚愕していた。

目的語が先になる。

そして、普段、「私は海に行きたい!」なんてあんまり言わないですよね、

どっちかというと、「海に行きたい!」と、「私は」を抜いて話すことの方が俄然多いですよね。

「私は海に行きたい!」と言う時、他の人がいて、みんなと違う意見だから、かつ結構強目な意思表示感ありますよね。

そのことを伝えたら、

”I”を言わないなんて、center of the universe なのに。と言われました。

逆に私はこれに驚愕。

 

何かを話す時、何かをする時、文脈やその周りの環境に影響されて、言葉や行動を起こすということが多い日本文化だな、と気づかされました。

こんなことたくさんの人が本とか文章にしてるんだろうけど、

身をもって実感、体感。

 

日本文化(って言ったら大げさだけど、)の真ん中には何があるんだろう、と。

気になってしまった。何があるの?

 

と帰りの電車の中で考えていたら、

あっそういえば、東京の都市も真ん中が空っぽ(実際には森)、ドーナツだとか言われてるなぁと思い出した。

都市構造(東京)においても、真ん中が空という構造。

 

きっと「間」っていう概念もそうだけど、一見何もないところに、これっていう明確ではないんだけど、あらゆるニュアンス的なものが詰まっていて、それこそはっきり見えるものより、超濃密なものが詰まっているのだろう、とさらっと思う。

もっと考えたい。

 

とにかく、海外生活を送っていく中で思うのは、マジで良い意味で、みんな自分が中心。

驚くほどに自分が中心。いわゆる自己中心的で嫌な感じっていうわけでは決してない。

自分のやりたいこと、自分のスケジュール感で動く皆々様。

最近は慣れてきたし、自分もそういう感じで行けば良いのだな、とか思うようになったけど、

この話をして、彼らの行動について思い返してみると、かなり腑に落ちる。

ウケる。

 

こういった日本文化の違いについて書かれている本とかたくさんあるのは知ってる。

けど、身をもって体験すると、なんていうか、な。

 

Center of the Universe ねぇ。

中心があるから周りがあるわけで(本当にそうか?)

私にもあるんだろうけど、な。

日本文化を基礎として生きている人はどう思っているんだろう?と思った。

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近頃、この頃

さて、仕事と学校が本格的に始まって、約1ヶ月が過ぎた。

この1ヶ月は慣れる、というか、些細なことにもとにかく気を配る(何かと日々のための道具などの調達(あれ、これって普通置いてあるものだよね、マジかよ無いのかよ、買いに行かなきゃ、とかね)毎日で、やっと慣れてきて、やっとリズムが掴めるようになってきた気がする。

 

学校については、P5と呼ばれるデザインスタジオとO5と呼ばれるリサーチペーパーを書くクラスがメイン。

両方ともマスター3年のクラス。

P5は、もうみんな色々これまでやってきてるから、そういうの活かして各自この対象地でより良いものを考えてね、さあどうぞ!という感じで、最初は、えっ何が始まるの、次どんな感じなの?、と困惑気味でしたが、

チームメイトのおかげで、何かと流れが分かってきた気がする。みんな本当に素敵な人たちなんだわ。

 

で、実際どんな対象地なのかというと、アムステルダムの東端に位置するIJburgという新たな島。

背景として、アムステルダムの人口過密により住宅地供給が必要となり居住地区として位置付けられている。

しかし、IJmeerという湖の上であり、周辺にはポルダーの農業地、森林、がちがちな感じの住宅地、歴史的な公園などが集まっているエリアでもある。

第1期の建設は終了しており、対象地となっているのはより湖側に位置する第2期エリア。

下写真は第1期エリアの感じ。

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最初のPitchと呼ばれる1分発表があり、こんな感じで発表した。

仮タイトルとして「Accumulation of Isolation」

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タイトルのウケが良く、きっと音の感じが良いからなのか、グループの皆さんが連呼してておもしろかった。ふふ。

チームのメンバーは、オランダ、アメリカ、イタリア、ベルギー、フランス、ニッポンという構成で、それぞれのアイディアとかも聞いていて、視点が色々あって、けど共通する部分も沢山あって。

 

 

事務所では最近は、スケールのかなり大きくて複雑だけど、かなりインパクトのあるアントワープのプロジェクトに関わらせてもらってる。あとは、事務所近くの建物の前のエントランス空間。こちらはヒューマンスケール。オランダでスケールの大きなものと小さなものの仕事に関わらせてもらえて、間近で考え方とか進め方とか見る機会が得られたのは、とても良い経験になるなあ、と、やっと落ち着いて思えるようになってきた。

この1ヶ月は、手書きパース、フォトショパース、キャドセクション、イラレかわいい系のマップ作り、スタディ模型などをやっていたが、いずれも共通するのはいかにシンプルでやりたいことが伝わってインパクトのあるものにするのかということを基本にやっていくという感じ。えっ、この情報分かりやすくするために消しちゃうんだ、とかよくあったりしておもしろい。最近、アイディアとか意見とか言うような余裕も出てきた!(遅い!)

事務所のランチの時間が色々とオランダやその他ヨーロッパのランドスケープ諸事情を聞く上で、貴重な良い時間なんだけど、色々話を聞いてると、あれ?日本とあまり変わらないなって思うことが多い。この前話したのだと、子供の遊び場の安全対策の過剰さとかランドスケープアーキテクトというフィールドが世間一般にあまり知られてないとか、とか。

逆にこれが不思議なので、色々と掘り下げてみたいと思う。

 

同じプロジェクトチームメンバーのとてもステキな女子とプロジェクトの話しようとなり、

行ったカフェ、というか日本でいうコワーキングスペース的なところ。

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マリアンヌについて

マリアンヌが日々名言をいう。

ふとした瞬間に名言を言うから、驚く。

 

ちなみにマリアンヌという名前は私が勝手につけた名前なので本名は違います。

 

仕事終わりに、いつも、マリアンヌが先に事務所を出るのだけど、その際に毎回、Enjoy ! と言って帰る、笑顔で。

 

メールで私のタスクを説明してある時は、最後に決まってGood luck ! と書いてある。

そして良い仕事をしたら、Good work !と一言。

 

資料の最終イメージ(手書きパース)がよく分からなかったので、マリアンヌは外出だったから、電話で相談したら、何でも良いのよ、you should find my way. と言われた。

 

明日の仕事内容を話す流れになった時、マリアンヌがはっとして、Tomorrow is tomorrow ;) と言って、

明日の話はせず、去っていった。

 

そして、決まって、Try を連発する。

 

そして、what do you think ?と必ず聞いてくれる。

言いたいことはあるのに、ちゃんと伝えられないもどかしさと悔しさがあるよ、

マリアンヌ。。。

 

あんまり伝わらない気がするけど、私的には名言揃い。

この感覚を留めておきたくて、書いてみた。

 

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ストックホルムの水辺

ストックホルムに、アカデミーのエクスカーションで行ってきた。

ストックホルムといえば、魔女の宅急便が有名なのかな。

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なぜストックホルムかというと、デザインスタジオのサイトがIJburgというアムステルダムの東部にある島だから。

IJburgは現在も建設が進んでいる新しい島でIJmeerという湖の上にある。

アムステルダムのマスタープランでは、人口密度の高まりにより、住宅エリアとしての位置付けがされている。

が、しかし、湖の上、緑地のネットワークという観点から生物多様性への視点も重要で、

また、オランダ含め、ヨーロッパ諸国では、エネルギー問題への関心も高く、

こう行った側面を含めた"better" "improve" "give" する提案が求められている。

 

今回は、ストックホルムでのコトを書きます。

IJburgについては、またの機会に書きたいな。

 

まず、Hammarby sjöstadに向かった。

ここは、「持続可能性」を追求した都市計画がとても有名。

住宅地として密度は高いのだけれど、快適に過ごせるまちになっている。

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建物の内側には中庭があり、各建物の中庭が続いている。

 

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ビオトープ 建物を建てた際には、ビオトープを作ることがルールづけされているとのこと。行政の持っている土地であり、メンテナンスは特にしなくてもこんな感じとのこと。日本との違い。。。

 

 

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特に水辺空間は、日常的に楽しめる空間づくりがされており、本当に良いと思った。

水辺に1人でゆっくり過ごせるスポットがちりばめられている。

 

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また、屋上を庭にして、その両サイドにある住宅が自分たちの庭のように使っているのが、

街として、とても良い協働がなされているなと。

上左写真はショップで緑化されていて、この階段を上ると上右写真のようになっている。

ブロックごと(250世帯ぐらい)co-organizerがおり、土地所有を越えての協働がなされているそう。

 

ちなみに、家賃はExtremely expensiveだそう、笑 

 

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Hammarby sjöstadから少し離れるけど、めちゃくちゃ楽しそうなプレイグラウンドがあった。

子供の楽しそうな声がすごかった笑

 

 

次に訪れたのは、Hornserg

もともと工業地帯であったエリアの水辺空間を緑地とした場所。

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地面を矢板鋼で護岸をつくり、湖側へ拡張させている。

 

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かつての図面を見ると水際ラインがウェーブになっており、

そのカタチをよりスタイライズさせて継承している。

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また、ファニチャーや手すりなどには、工業地帯であったことを考えてか、コールテン鋼が用いられている。

ここでも、水辺へ張り出したファニチャーたちがとても良いと思った。フローティングで、ボートが近くを通るとめっちゃ揺れる、笑 このエリアでも水辺との関係がとてもよく、何より人がそこに多くいたことが生活に根付いている空間になっていうような気がして良いと思った。

 

最後に、下の写真の船がホステルになっており、今回泊まっていたのですが、出かけて戻ると、荷物をみんな預けていたのですが、そこには何も無くなっており、つまり船がどこかへ行ってしまっており、みんな爆笑。

誰もこの船が動くとは想像していなかった。

実際に動く船に乗れたっていうことに価値がありますね!ということで落ち着いた笑、

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こんな感じで元気にやっております!次回はアスプルンドの森の墓地について書きたいと思います。

森の墓地、感動した!